「平家物語」はすごかった
フジテレビの「+Ultra」枠で放送されていたアニメ『平家物語』が終了しました。
最終回まで観ました……。
すごいものを見せてもらったなぁ。
脚本も映像も演出も、すべてが高次元。
くらくらして咀嚼が追い付きません。
放送を録画していたのですが、いつも配信動画をパソコンで観てました。
集中して観たいから。
音もヘッドフォンで聴きたい。
そのくらい、密度が高い。
一見、日本の伝統絵画風に見える渋い画作り。でも、キャラクターはシンプルな線ながら立体感をもって描かれているし、構図も平面的に見えて奥行きがある。計算された構図、さりげなく画に陰影を与えるエフェクトなど、細かく見れば見るほど、考え抜かれ、手をかけて映像化されているのがわかります。
物語も、びわというふしぎな目を持つ少女を設定したことで、多層的な視点を持つものになっている。びわには登場人物の行く末が見えている。それは視聴者であるわれわれの視点でもある。そのことが「平家物語」の無常観を際立たせます。
びわには定められた運命を変えることはできない。スティーブン・キングの『デッド・ゾーン』を思わせます。でも、びわは平家の人々を記憶し、語り継ぐことで、この世から消えたものを永遠のものにしようとする。人の世の営みとは、人生とはなんなのか、そんなことを考えさせられます。
と、とりとめもなく書いてみましたが、この作品はもっと奥深い。まだまだ読み解けません。
個人的には、キャラクター原案に高野文子さんが参加しているのがツボでした。
なので、『わたしたちが描いたアニメーション「平家物語」』も電子書籍版を買いました。
電子版特典に「高野文子キャラクター原案・イメージスケッチ 2P(紙書籍版未収録カット)」が付いてくるのです。
あと驚嘆すべきは牛尾健輔さんの音楽。
『平家物語』に電子音楽……。予想外というか、牛尾さんが参加した時点で予想はできたのですが、それでも「こうくるか!?」という驚きがあります。
サントラはCDとアナログ両方買いましたよ。
これもまだじっくり聴けていない。
3/26発売の『CONTINUE Vol.76』に「山田尚子(監督)×牛尾憲輔(音楽)10,000字対談」が載るそうなので、それ読んで、本編再見しながら聴こうと思います。