弘前「菊池俊輔展」
青森県弘前市で開催された「菊池俊輔展」に行ってきました。
会期は4月21日から24日の4日間。
私は22日と23日にうかがいました。
会場は百石町展示館。元は明治創業の呉服店。のちに津軽銀行に引き継がれた建物です。
展示会場入り口には「どこでもドア」が。
展示は、
・菊池先生の作業机の再現
・応接セット
・作曲に使用していたピアノ
・書棚と蔵書類
・ゴールドディスク、トロフィー類
・賞状
・レコード、CD
・楽譜類
・台本
・幼少時からの写真
などなど。
菊池先生の人生と仕事が偲ばれるものばかりでした。
特にヒット曲を記念したゴールドディスクやトロフィー、賞状などがずらりと並ぶさまは壮観で、菊池先生が希代のヒットメーカーであったことが実感されます。
22日にはトークイベントが、23日にはコンサートがありました。
トークイベントの出演は、弘前レジェンドを語り継ぐ会の佐々木健さんと菊池先生の幼なじみで同級生の工藤順巳さん、司会に弘前出身で菊池先生の小学校の後輩になるフリーアナウンサーの藤田亜希子さん。 私も聞いたことがない、菊池先生の少年時代の話や家庭での素顔など、貴重なお話が聞けました。
菊池先生がいかに弘前を愛していたか、また、弘前の人に愛されているかを知ることができて、感激しました。
コンサートの出演は、弘前で活躍する女性ヴォーカル3人組「ライスボール」とサックスカルテット「北の四重奏」の2組。
ライスボールは、オリジナル曲3曲と「タイガーマスク」「アラレちゃん」「ドラえもん」の3曲を歌ってくれました。
北の四重奏はサックス4本という編成ながら、オリジナルをしっかりリスペクトしたアレンジと演奏でなかなかよかったです。
演奏曲は「暴れん坊将軍」「Gメン'75」「旅の終わりに」「怨み節」「タイガーマスク」「忍者ハットリくん」「ドラえもん」「大成小学校校歌」の8曲。特に 「怨み節」の演奏は雰囲気があってしびれました。
これからも弘前で菊池先生の曲を歌い、演奏し続けてほしいです。
藤子不二雄Aのまんが道展
トキワ荘マンガミュージアムで開催中の「藤子不二雄Aのまんが道展」に行ってきました。
https://tokiwasomm.jp/exhibition/2022/10/post-37.php
『まんが道』の原画や貴重な写真を見ることができます。
小学生の頃、『まんが道』の最初の単行本(あすなろ編)と石森章太郎の『マンガ家入門』が愛読書だったので、本作には思い入れがあるのですよ。
夢にあふれていた若者たちの青春に触れた気がしました。
先日観たスピルバーグの『フェイブルマンズ』とも不思議なシンクロニシティ。
後半は複製原画や印刷物による藤子不二雄A作品関係の展示。
トキワ荘時代の藤子不二雄A作品ヒストリーや作風の紹介、トキワ荘に集った漫画家たちの紹介など。
なんと今回は展示がすべて撮影可!
庭では桜が咲いていました。
「まんが道展」は3月26日までなので、気になる方はお早目に。
次の展示は4月6日から「W50周年記念 デビルマン×マジンガーZ展」だそうです。
https://tokiwasomm.jp/exhibition/2023/02/post-40.php
「全プリキュア展」に行ってきた
池袋サンシャインシティで開催中の「全プリキュア展」に行ってきました。
平日昼間なら空いてるだろうと思ってましたが、すごい人出でした。
ほぼ95%が女子。10代~20代くらいの若い方が多い(学校は休みなのか?)。あとは親子連れ。男子はほとんどいない。
六本木で開催されていた『美少女戦士セーラームーン展』と比べても、ぐっと来場者の年齢が若くなり、女子率が高い印象です。
エントランスにフォトスポット(ここで渋滞してた)。
プリキュアの歴史を紹介するパネル。
各シリーズのキャラクターデザイナーたちによる20周年描き下ろしイラストギャラリー(ここも大混雑)。
歴代プリキュア主人公(主にピンク)の等身大フィギュア。
各シリーズを設定画や映像、おもちゃなどで紹介する「全プリキュアメモリーズ」コーナー。
秘蔵ギャラリー(企画書、台本、絵コンテ、原画など。撮影不可)。
変身シーンをマルチモニターで見せるシアター(人ごみでぜんぜん観られず)。
物販コーナー。
といった構成。
「THE仮面ライダー展」ほどではないですが、すごい量の展示でした。
メインは「全プリキュアメモリーズ」。
各シリーズのブースが作品のモチーフやテーマにちなんだデザインになっていて、なかなか凝ってます。『ふたりはプリキュア』は白と黒、『プリキュア5 GoGo!』はバラ、『ハートキャッチプリキュア!』は花、『スマイルプリキュア!』は本棚、『ドキドキ!プリキュア』はトランプ、『プリンセスプリキュア』は宮殿風、『プリキュアアラモード』はお菓子、『スター☆トゥインクルプリキュア』は宇宙、といった具合。
プリキュアだけでなく悪役キャラの紹介パネルもあって、うれしかったです。
来場者が想い出のプリキュアのコーナーに足を止めて、記念写真を撮ったり、話し込んだりしている光景がほのぼします。
プリキュアの仕事をしていても、本来のターゲットである子どもたちの反応を観る機会はほとんどないので、「ああ、愛されていてよかったなぁ」と。
「全プリキュア展」は、プリキュアとともに育った子どもたちやシリーズを見守ってきた方たちが集う、壮大な同窓会みたいなものですね。
ただ、みんな熱心に観ているので、あまり展示に近寄ってじっくり観られなかった。
ちなみに音楽商品の展示はありませんでしたよ。残念…。
等身大フィギュアは太秦映画村に展示されていたものと同じでした。ということは、今、太秦では主人公を除くプリキュアたちが勢ぞろいしているのでしょう。あれを全部持ってくるには展示スペースが足りないから、しかたないか。でも、ホールをもうひとつ借りて展示したら、案外盛り上がったのではと思います。
物販コーナーでは目当ての図録が売り切れ…。
記念に限定グッズのコースターを1個買いました。
「全プリキュア展」東京会場の開催は2月19日まで。
https://www.toei-anim.co.jp/all_precure_exh/
池袋駅からサンシャインシティまでの複数の通りに、「全プリキュア展」にちなんだ街路灯フラッグがずらりと飾られてます。しかも、よく見ると商店街別に違うタイプのフラッグを掲示してる。
風が強かったのと日が暮れてきたので、撮りきれませんでした。コンプリートはまたの機会に(コンプリートするのか?)。
THE仮面ライダー展
ボーッとしてたら今週末までになっていたので、行ってきました。
「THE仮面ライダー展」
50年の歴史は伊達じゃなかった。
大変な量の展示です。
会場の外に全ライダー作品のパネルと劇場版ポスターの展示があり、早くもテンションが上がります。
入場してすぐに、仮面ライダー1号の展示。
藤岡弘、さんのメッセージ映像が流れて、期待を盛り上げます。
いよいよ展示の本編。
導入は石ノ森章太郎の漫画版。
続きを読む:THE仮面ライダー展
「タローマン展」の思い出
そういえば、先月、「タローマン展」にも行っていたのでした。
「岡本太郎展」とタイミングを合わせて、NHK放送博物館で11月1日から12月4日まで開催されていました。
正式名称は「展覧会 タローマン」。
『タローマン』の衣装や企画書、制作資料、グッズなどを展示したマニアックな展覧会です。
『タローマン』が実際に70年代に作られたヒーロー番組だという設定で構成されているのがミソ。
『タローマン』の前に放映されていたヒーロー番組(『大権威ダ・ガーン』)の映像まで作っているのだからあきれます。
こういうふざけたことを真剣にやる遊び大好きです。
いちおう、申し訳のように「NHKと太郎」「岡本太郎ができるまで」という展示コーナーもあったんですけれど。
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「国宝展」と「岡本太郎展」
上野で開催されている「国宝展」と「岡本太郎展」を観に行ってきました。
どちらも会期末が迫っていたので駆け込みです。
「国宝展」は「国宝 東京国立博物館のすべて」が正式名称。
東京国立博物館創立150周年記念の展覧会で、「史上初、所蔵する国宝89件を公開」とキャッチコピーにあるように、お宝を一挙お蔵出ししての公開です。
もともと12月11日で会期終了の予定でしたが、18日まで延長されました。
会場は国立博物館本館…
ではなく、1999年に開館した「平成館」のほうです。
展示されているのは、11世紀から13世紀頃までの絵画・書跡と7世紀から14世紀頃までの東洋絵画・書跡、それに7世紀から8世紀の法隆寺献納宝物が中心。ほかに古代の壺・銅鐸・太刀・埴輪など、考古出土品もいくつか。
古い書画などのうち数点は、保存上の理由から会期延長期間には展示が終了してました。残念ですが、しかたない。
最近の刀剣人気を意識したのか、刀剣(10~14世紀)にかなりのスペースが充てられていました。
展示の第2部は「東京国立博物館の150年」という展示。
これがなかなか面白かった。
博物館の歴史をたどりながら、めぼしい収蔵品を紹介する構成。
明治時代の展覧会のようすを紹介する絵や当時の博物館の看板など。 博物館好きにはたまりません。
博物館って、展示品自体も魅力ですが、それを観ることで昔の人と対話したり、当時の空気に触れたような気分になれたりする。すごく心を動かされます。実物が目の前にあってこその体験だと思うのです。
下の写真は最後の撮影可コーナーから。
続いて、東京都美術館で開催されている「岡本太郎展」へ。
続きを読む:「国宝展」と「岡本太郎展」
特別展アリス
森アーツセンターギャラリーで開催されている「特別展アリス— へんてこりん、へんてこりんな世界 —」に行ってきました。
先日、「ベルサイユのばら展」に行ったとき、隣の会場で開催していたので気になってたのですよ。
気が付けば10月10日の会期終了が迫っていたので、今行くしかないと。
以下、公式サイトより引用。
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『不思議の国のアリス』の世界とその魅力をご紹介する展覧会です。ジョン・テニエルの挿絵から、ディズニー映画のアニメーションセル、ティム・バートン監督による映画『アリス・イン・ワンダーランド』、アリスに影響を受けたサルバドール・ダリや草間彌生らの作品、バレエなどでの舞台衣装、ヴィヴィアン・ウエストウッドらによるファッションなど、アリスにまつわる約300点の展示物が一堂に会します。英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)を皮切りに世界巡回中の展覧会に、日本オリジナル展示も加えた「へんてこりん、へんてこりんな世界」が2022年夏、六本木ヒルズに出現します。
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ちょっとスケジュール的に厳しかったのですが、行ってよかった。
児童文学好き、幻想文学好き、美術好き、映画好きなんかにはたまらない内容でした。
なお、会場内は一部「撮影禁止」のマークが付いた展示品以外は撮影可。
ただし、展示品1点のみ、2点のみの撮影は不可で、「必ず3点以上を画面に収めてください」という制限が設けられています。
会場は大きく5つのパートに分かれていて、「第1章 アリスの誕生」ではルイス・キャロルと原作関連の写真、草稿、イラスト、本やグッズなどを展示。
キャロルが撮った写真やアリスのモデルになったアリス・リドゥルの写真もあります。
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の初版本や校正刷り、ジョン・テニエルの挿絵の習作、原画、版画、各国のアリス翻訳本などが見られて眼福。スワヒリ語版なんて珍しいものもありました。
日本のものでは金子國義さんのアリスの絵などが展示されていました。
不思議の国に迷い込んだような回廊を抜けると、「第2章 映画になったアリス」のコーナーへ。 古今の『アリス』の映像化作品に関する展示です。
初期のモノクロ映画から、有名なディズニーのアニメ、ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』も。
日本アニメーション制作のTVアニメ『ふしぎの国のアリス』ももちろん紹介されています。
続いては「第3章 新たなアリス像」のコーナー。
アリスを題材にした、あるいはアリスにインスパイアされた現代アートの展示です。
衝撃を受けたのが、サルバドール・ダリが描いた『不思議の国のアリス』の挿絵。1969年に限定2500部の署名入りで出版されたんだそうです。 ダリがそうとう気合入れて描いているのが伝わってくる作品。
「対決!シュールレアリスム×シュールレアリスム」
みたいで、見入ってしまいました(撮影は不可)。
次は「第4章 舞台になったアリス」のコーナー。
舞台化された『アリス』のポスターや舞台写真、衣装デザインなど、貴重な展示が並びます。
最後に「第5章 アリスになる」と題した、アリスをモティーフにしたファッションのコーナー。
文学・アート・映画・演劇・ファッションなどを横断する不思議の森をさまようような体験。
めちゃめちゃ楽しかったし、刺激を受けました。
図録はなく、7月8日に発売された『アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界―』(玄光社)という本が公式書籍として売られています(一般書店でも購入可)。内容は、展覧会とまったく同じではないようです。
「特別展アリス— へんてこりん、へんてこりんな世界 —」は10月10日まで。
https://alice.exhibit.jp
ベルサイユのばら展
少し前のことになりますが、六本木・東京シティビューで開催中の「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 -ベルばらは永遠に-」に行ってきました。
会場入ってすぐのスカイギャラリーが宮殿のようにディスプレイされていて、「ベルばら」気分が盛り上がります。
導入部の回廊に展示されているのが「ベルばら年表」。
原作連載から始まって、各種単行本発売、舞台公演、実写映画公開、アニメ放映、DVD発売、Blu-ray発売、ムック発売、DVD-BOOK発売、コラボイベントなど、細かく記載されています。
21世紀に入ってからのドラマCD発売やアニメ版サウンドトラック完全版の発売も押さえられていて、そうとうのベルばらマニアの仕事か、と感心しました。私が企画・構成・解説を手がけたCD「ベルサイユのばら 音楽集[完全版]」の記載もありました。
メインは池田理代子先生の原画展示。
1色だけでなく、2色、4色の原稿も展示されているのがいい。美しく迫力たっぷりの絵に引き込まれます。
撮影は不可。
続いて、宝塚歌劇版「ベルばら」とアニメ版「ベルばら」のコーナー。
コンパクトですが、ツボを押さえた展示でファンも納得の内容。
アニメ版は設定画、台本、原画、セル画、ハーモニーなどを展示。解説パネルで、原作とアニメ版の違い、2人の監督の演出の違い、アニメ版ならではの魅力などに触れていて、「わかってるな…」と唸らされました。
宝塚歌劇のコーナーのみ撮影可です。
最後に「これからのベルばら」のコーナー。
最新情報として、新作アニメ映画の設定画が数枚展示されています。さて、どうなるか、興味津々です。
この新作アニメ映画関連も撮影可でした。
なお、展覧会の図録はなく、9月15日に発売された書籍『愛と感謝の50周年 ベルサイユのばら アニバーサリーブック』(集英社刊)が図録代わりになっています(展覧会の内容そのままではありません)。
会場に隣接するカフェではコラボメニューが楽しめる「ベルサイユのばら CAFE」も開店中です。
「ベルサイユのばら展」東京会場の開催は11月20日まで。
https://verbaraten.com/
水木しげるの妖怪百鬼夜行展
もうすぐ閉会してしまう「水木しげるの妖怪百鬼夜行展」へ行ってきました。
「水木しげるの妖怪百鬼夜行展」公式サイト
https://mizuki-yokai-ex.roppongihills.com/
会場は六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビュー。
妖怪が出そうな夕方=たそがれどきをねらって入場。
入ってすぐのエリアでは、スマホにアプリを入れて「妖怪ARカメラ」を起動すると、実景に重なって現れる妖怪の姿を見ることができます。
隠れているのは、がしゃどくろ、ぬらりひょん、火車、すねこすり、アマビエ、一反もめん。
入口すぐのパネルに反応して現れる一反もめんと、窓際に現れるアマビエがちょっとわかりにくいですが、全6体キャッチしました。
アマビエが東京タワーと一緒に撮れるのがいいですね。
ほかにも、境港の水木しげるロードにいるのと同じ妖怪のブロンズ像が展示されていました。
展示の本編は水木しげるの妖怪画。
導入は、水木しげるがいかにして妖怪を描くようになったか、を紹介する展示。 水木しげるの少年時代から戦争体験を経て画業に入る歴史と、水木しげるが集めた妖怪関係の古書が展示されてます。
貴重な古書もあって、なかなか興味深いです。
そのあと、妖怪画をずらりと展示。
漫画原稿などはなく、精細な妖怪画をひたすら並べる「妖怪の森」みたいな趣向です。
水木しげる展は何度か行きましたが、今回は『ゲゲゲの鬼太郎』などの漫画キャラクターはあえて省いて、妖怪と妖怪画にフォーカスした展示になってます。
妖怪画を、水木しげるが参考にしたと思われる古書の妖怪画や地方の仮面の写真などとともに展示したり、妖怪が現れる場所別に展示したりしていて、なかなか楽しめます。
ちゃんと原画を展示しているので、目を近づけると繊細なペンタッチや筆のあと、修正のあとなどが見られるのがたまりません。
会場内には妖怪の大きなオブジェもいくつか展示されてますが、それは撮影不可。
入口のぬりかべのみ撮影可でした。
最後に水木先生のまわりに妖怪が現れるARコーナーがあり、出口へ。
出ると、いい感じに日が暮れてました。
夏の夕涼みに妖怪画を見てひととき、みたいな展覧会。
妖怪初心者から水木しげるファンまで楽しめる内容です。
9月4日までなので、行こうと思ってる方はお早目に。
浜松市美術館「ハイジ展」
浜松市美術館で開催中の「ハイジ展」を観てきました。
ハイジ展公式サイト
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/artmuse/tenrankai/images/heide.html
「本気のハイジ展」と謳われたこの展覧会。
そのキャッチフレーズに違わぬ充実の内容でした。
展示スペースは原作関連とTVアニメ関連に大きく分かれています。
原作関連では、ヨハンナ・スピリの人物や生涯を知る資料、『ハイジ』の原作本や翻訳本、それに使用された挿絵などを展示。
スピリ直筆の手紙や各国の『ハイジ』の本、挿絵等が興味深く、貴重です。
日本版の挿絵では、高橋真琴が描いた美少女ハイジと美少年ペーター、蕗谷虹児が描く妙に艶っぽいハイジなどに眼を引かれました。
ハイジファンのみならず、児童文学や児童文化に関心のある人にも楽しめる内容です。
続いて、TVアニメ『アルプスの少女ハイジ』関連の展示。
「高畑勲展」でもけっこうな分量が展示されていましたが、それを上回る充実ぶり。
パイロットフィルム、企画書に始まり、ロケハンの記録、写真、スケッチなど。渡辺岳夫が現地で子どもたちと交流している写真などあって、びっくりしました。
そして、小田部羊一によるキャラクター設定、宮崎駿による場面設定・レイアウト、井岡雅宏による美術設定、高畑監督や富野由悠季による絵コンテ、アニメ原画、セル、背景画、シナリオ、アフレコ台本などなど。 アニメの制作工程をひと通り紹介するボリュームたっぷりの内容です。
ついているキャプションがいちいち的確で感心しました。と思ったら、世界名作劇場やハイジの本を書いている、ちばかおりさんが監修しているのですね。納得です。
音楽関連にもコーナーが設けられていました。岸田衿子直筆の歌詞(完成版と一部違う)や主題歌・挿入歌のメロ譜、松山祐士によるアレンジスコア、BGMのスコア、渡辺岳夫が書いたBGMリスト(の一部)などなど。こちらも初めて見るものが多く、じっくり見せてもらいました。
図録あります。展示品をすべて掲載しているわけではないですが、資料的にも価値があり、読み物としても楽しめます(残念ながら通販の対応はないそう)。
会期は9月11日までなので、気になる人はお早目に。