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特撮美術監督 井上泰幸展

特撮美術監督 井上泰幸展

ひええ~ 3時間半も滞在してしまいました。

東京都現代美術館で開催中の「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」。
東宝映画を中心とする特撮映画の美術監督として活躍した井上泰幸さんの業績を一望する展覧会です。

時間をかけるだけの価値ある内容とボリュームでした。

『キングコング対ゴジラ』『怪獣大戦争』『地球防衛軍』『サンダ対ガイラ』『妖星ゴラス』など、東宝特撮映画黄金期の仕事がこれでもかとばかり展示されてるので、それだけでもお腹いっぱい。
さらに独立後の映画やテレビの仕事も『日本沈没』『ダイヤモンドアイ』『電人ザボーガー』『惑星大戦争』『ウルトラマンティガ』など、興味深いものばかりです。

さりげなく『ノストラダムスの大予言』の展示があるのも注目。

展示物の大半はイメージスケッチと図面とコンテ。 立体物や完成映像がないぶん、こちらも想像力を働かせて見ることになります。
特撮の現場を想像しながら見るのがなかなか楽しい。
どんなイメージを浮かべ、どんな計算を働かせながらスケッチや図面やコンテを描いていたのだろうと…。
そして、完成映像を思い出して、「これがああなるんだ」と考えるとぐっとくるものがあります。

特にコンテがすごいなぁ。
構図はもとより、細かい動きまで書き込まれていて、演出の重要な部分を井上さんが担っていたことがわかる。

特撮ファン、映画ファン必見ですよ。
模型を作る人や映画美術に関心がある人、そういう方面の仕事に進みたい人にもお奨めします。

写真が撮れるのは入り口のロゴと最後のコーナーの岩田屋模型だけ。
岩田屋の作り込みがすごくて、撮影に20分くらい時間かけてしまいました。

岩田屋とラドン

岩田屋と電車

岩田屋別アングル

「井上泰幸展」は6月19日まで。
今後地方への巡回などは予定されていないそうです。そのぶん会期はたっぷりとってあるそうなので、気になる方はぜひ見ておいてください。
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/yasuyuki-inoue/