8/21「葬送のフリーレン」オーケストラコンサート
8月21日はパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された「『葬送のフリーレン』オーケストラコンサート」に足を運びました。
TVアニメ『葬送のフリーレン』のBGMをオーケストラで演奏するコンサート。
演奏は田尻真高指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
ゲストは音楽を担当した作曲家のEvan Callとエンディング主題歌歌手のmilet。
よいコンサートでした。堪能しました。
よかった点の第一は、全曲、Evan Call自身がコンサート用に編曲したスコアによる演奏だったこと。『葬送のフリーレン』の音楽は民族楽器が使われていますが、コンサートでそれをすべてオリジナル通りの編成で演奏するのは困難。そこで別の楽器に置き換えることになります。作曲者自身が編曲することで、違和感のない、作曲者が意図したサウンドで再現されました。そういう編曲の工夫が随所に見られます。
また、今回スクリーンにアニメの映像を投影しながら演奏されたのですが、この映像が凝っていました。楽曲が使われた名場面を選んでいるのはもちろんですが、キャラクターのセリフをフキダシに入れた文字で表示していました。セリフがあることで、どんな場面だったか鮮明に思い出すことができます。
司会者を置かず、作曲者自身がMCを務めたのもよかった。MCが別にいるよりぐっと距離が近い感じになり、作曲者自身による楽曲の解説や紹介もテンポよく進みます。1部と2部のあいだにEvan Callとmiletのトークコーナーがあり、興味深いお話が聞けました。
もちろん、演奏もすばらしかったです。
編成は、弦が12型(12・10・8・6・5)、木管がフルート、オーボエ、クラリネットが各2、イングリッシュホルンとファゴットが各1、金管がトランペット×4、トロンボーン×3、チューバ×1、ホルン×4、ピアノ×1、ハープ×1、打楽器×6。そして、ギターとマンドリンなどの民族弦楽器が、サントラの録音にも参加している堤博明。ティン・ホイッスル、イーリアンパイプなどの民族管楽器が、やはりサントラの録音に参加している野口明生。これにコーラス×12(男声×6、女声×6)が加わる大編成です。
民族楽器は少な目ですが、印象的な音が入ることで、ぐっと「フリーレン」らしいサウンドになっています。
基本的にはオリジナルに準じたアレンジで、サントラを生で聴いている感がありました。
miletの生歌で「bliss」「Anytime Anywhere」が聴けたのも感激(いずれも編曲はEvan Call)。
近年聴いたアニメ音楽コンサートの中でも上位に入る満足度の高いイベントでした。
ぜひ、再演、または商品化してほしいです。