「夏への扉」上映会+トークセッション
6月17日、一橋大学一橋講堂で開催されたアニメ映画『夏への扉』の上映会+トークセッションのイベントに足を運びました。
『夏への扉』は1981年公開のアニメーション映画。竹宮恵子の同名漫画を真崎守監督(クレジットは演出)、東映動画とマッドハウスの製作でアニメ化した作品です。
『エースをねらえ!』の進化形を思わせる大胆かつ美しい映像表現は、今見てもすばらしい。少女漫画の世界をみごとに映像化しています。
初回ではなかったものの、スクリーンで観るのは初めて。そのスクリーンが小さめだったのは残念ですが、本作は公民館や小ホールなどで上映するオフシアター方式での公開だったそうですから、当時もこんな雰囲気だったかもしれません。
上映後に行われたトークセッションはマッドハウスのプロデューサー(当時)・丸山正雄さんと、出演声優である水島裕さん、古谷徹さん、古川登志夫さん、三ツ矢雄二さん、潘恵子さんがそろった豪華な顔ぶれ。声優のみなさんは全員主演クラスのすごい顔ぶれです。登壇すると会場がざわめき、「昭和のアニメイベントか!?」と思ってしまいました。
トーク自体は『夏への扉』の話だけでなく、声優バンド・スラップスティックの話や近況をまじえたバラエティに富んだ内容で、ある意味、期待通り。実に楽しかった。
ハネケン(羽田健太郎)の音楽の話題が出なかったことだけが、少し残念でした。
この作品、現在はアマゾンプライムなどの動画配信でも観ることができます。未見の方はぜひご覧になって、ハネケンのすばらしい音楽も堪能してください。
松本零士先生お別れの会
6月3日、東京国際フォーラム・ホールBで開催された「松本零士先生お別れの会」に足を運びました。
前日から降り続いた雨が上がり、さわやかな天気に。
メッセージカードをもらって、記入してから入場。
会場内には、銀河鉄道999に乗って旅立つ松本零士先生をイメージした祭壇。
生涯と仕事をたどるパネル展示。
サックス四重奏の生演奏。
999号の機関室を再現した展示。
会場を出たところにお別れのパネルと愛用品の展示など。
感謝の想いとともに献花してきました。
いつかまた、遠く時の輪の接するところで。
資料性博覧会16終了しました
5月3日に開催された「資料性博覧会16」終了しました。
たくさんのご来場、応援、ありがとうございました。
昨年、一昨年と比べて、ずいぶん多くの人に来ていただいた印象です。
コロナ禍が落ち着いて、客足が戻ってきているなあと実感しました。
会場の中野サンプラザは7月2日に閉館しますので、ここでの資料性博覧会はこれが最後になります。
資料性博覧会のみならず、コンサートやプリキュアのイベントなどでも思い出のある施設です。
会場を出るときは、「長らくありがとうございました」という気持ちでした。
資料性博覧会16に参加します
5月3日に中野サンプラザで開催される「資料性博覧会16」に「劇伴倶楽部」で参加します。
■開催日時:2023年5月3日(水・祝)15:30~19:30
■会場:中野サンプラザ 13F コスモホール
※一般参加の際は、一人一冊パンフレット(税込500円)が必須となります。
個人誌「劇伴倶楽部」の在庫と《SOUNDTRACK PUB》レーベルCDを頒布する予定です。
なお、資料性博覧会あわせで新譜を予定していましたが、間に合いませんでした。ごめんなさい。
その代わり、2015年に発売した「カレイドスター 究極の すごい サントラ」を放送20周年記念で再プレスして持ち込みます。
未入手の方はぜひこの機会にどうぞ。
「カレイドスター 究極の すごい サントラ」は、後日Amazon等でも販売再開する予定です。
資料性博覧会の詳細は下記を参照ください。
https://www.mandarake.co.jp/information/event/siryosei_expo/
※当日は終了時間前に撤収するかもしれません。
弘前「菊池俊輔展」
青森県弘前市で開催された「菊池俊輔展」に行ってきました。
会期は4月21日から24日の4日間。
私は22日と23日にうかがいました。
会場は百石町展示館。元は明治創業の呉服店。のちに津軽銀行に引き継がれた建物です。
展示会場入り口には「どこでもドア」が。
展示は、
・菊池先生の作業机の再現
・応接セット
・作曲に使用していたピアノ
・書棚と蔵書類
・ゴールドディスク、トロフィー類
・賞状
・レコード、CD
・楽譜類
・台本
・幼少時からの写真
などなど。
菊池先生の人生と仕事が偲ばれるものばかりでした。
特にヒット曲を記念したゴールドディスクやトロフィー、賞状などがずらりと並ぶさまは壮観で、菊池先生が希代のヒットメーカーであったことが実感されます。
22日にはトークイベントが、23日にはコンサートがありました。
トークイベントの出演は、弘前レジェンドを語り継ぐ会の佐々木健さんと菊池先生の幼なじみで同級生の工藤順巳さん、司会に弘前出身で菊池先生の小学校の後輩になるフリーアナウンサーの藤田亜希子さん。 私も聞いたことがない、菊池先生の少年時代の話や家庭での素顔など、貴重なお話が聞けました。
菊池先生がいかに弘前を愛していたか、また、弘前の人に愛されているかを知ることができて、感激しました。
コンサートの出演は、弘前で活躍する女性ヴォーカル3人組「ライスボール」とサックスカルテット「北の四重奏」の2組。
ライスボールは、オリジナル曲3曲と「タイガーマスク」「アラレちゃん」「ドラえもん」の3曲を歌ってくれました。
北の四重奏はサックス4本という編成ながら、オリジナルをしっかりリスペクトしたアレンジと演奏でなかなかよかったです。
演奏曲は「暴れん坊将軍」「Gメン'75」「旅の終わりに」「怨み節」「タイガーマスク」「忍者ハットリくん」「ドラえもん」「大成小学校校歌」の8曲。特に 「怨み節」の演奏は雰囲気があってしびれました。
これからも弘前で菊池先生の曲を歌い、演奏し続けてほしいです。
訃報・坂本龍一さん
かねてより闘病されていた作曲家の坂本龍一さんが3月28日に亡くなりました。
4月2日に所属レーベルのエイベックスより発表がありました。
大変残念です。心より哀悼の意を表します。
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)で日本にテクノポップを確立し、映画音楽でも活躍。『戦場のメリークリスマス』(1983)で英国アカデミー賞作曲賞を、『ラストエンペラー』(1987)で米アカデミー賞作曲賞を受賞するなど、その仕事は高く評価されました。
アニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987)の音楽は、誰も聴いたことがない異世界の音楽をまるごと創造するという、かつてない挑戦的な作品でした。アニメ音楽で何ができるか、その可能性を広げた作品だったと思います。
すばらしい音楽の数々をありがとうございました。
☆【坂本龍一】ご報告(エイベック・スポータルサイト)
☆音楽家 坂本龍一さん死去(NHK Webサイト)
ネオ書房@ワンダー店
4月2日にオープンする神保町のシェア本棚型書店、ネオ書房@ワンダー店(ブックカフェ二十世紀)に「劇伴倶楽部」で棚をひとつ借りました。
映画評論などでおなじみの切通理作さんが店主のお店です。
ネオ書房@ワンダー店(店主:切通理作)
101-0051
東京都千代田区神田神保町2-5-4 @ワンダー2階
営業時間:11時~19時(日曜日11時~18時)
定休日:毎週月曜日(他メンテナンスの為の臨時休業あり)
※Webサイトは準備中とのこと
シェア本棚とは店内の書棚をひと枠単位で借りて、棚主(借りた人)がそこで展示販売ができるというしくみ。棚主の小さなお店です。
当面はショーケースを兼ねて個人誌「劇伴倶楽部」のバックナンバーと《SOUNDTRACK PUB》レーベルのCDを置いています。
ゆくゆくは、不要になったCD・レコードや資料本なども放出しようと考えています。
店内でイベントもできるそうなので、新譜リリース時には発売イベントもできればよいなと。
神保町へおいでの際はぜひお立ち寄りください。
なお、4月8日15時からお店でオープニングパーティがあります。棚主とお客さんの交流会、説明会を兼ねているそうなので、棚を借りてみようかなと思ってる方もぜひどうぞ。一般の方はドリンク代500円で参加できます。
藤子不二雄Aのまんが道展
トキワ荘マンガミュージアムで開催中の「藤子不二雄Aのまんが道展」に行ってきました。
https://tokiwasomm.jp/exhibition/2022/10/post-37.php
『まんが道』の原画や貴重な写真を見ることができます。
小学生の頃、『まんが道』の最初の単行本(あすなろ編)と石森章太郎の『マンガ家入門』が愛読書だったので、本作には思い入れがあるのですよ。
夢にあふれていた若者たちの青春に触れた気がしました。
先日観たスピルバーグの『フェイブルマンズ』とも不思議なシンクロニシティ。
後半は複製原画や印刷物による藤子不二雄A作品関係の展示。
トキワ荘時代の藤子不二雄A作品ヒストリーや作風の紹介、トキワ荘に集った漫画家たちの紹介など。
なんと今回は展示がすべて撮影可!
庭では桜が咲いていました。
「まんが道展」は3月26日までなので、気になる方はお早目に。
次の展示は4月6日から「W50周年記念 デビルマン×マジンガーZ展」だそうです。
https://tokiwasomm.jp/exhibition/2023/02/post-40.php
映画「フェイブルマンズ」
スピルバーグの新作『フェイブルマンズ』を観ました。
2時間半をまったくだれずに見せる演出力はさすがスピルバーグ。
スピルバーグの少年時代をモデルにした自伝的作品。
映画作りに熱中する少年サミー・フェイブルマンの成長物語であり、「フェイブルマンズ=フェイブルマン家」というタイトル通り、家族の物語でもある。
サミーと家族にさまざまな問題が降りかかるけれど、スカッと解決はしない。苦い後味が残る。それがいかにも「人生」という感じ。なんとなく盛り上がってないのはそのせいかな。「面白いから見て」「泣けるから見て」とは言い切れないところがある。
映画は、ふつうのハリウッド映画だったら「さあ、これから巻き返し」というところで終わる。多くの人は「その先が見たいんだよ」と思うはず。でも、その終わり方がとてもいいと思った。
これはスピルバーグの『まんが道 あすなろ編』なんだろう。挫折やつらいこともたくさんあったけれど、夢にあふれていた少年時代を思い出す。観終わって「前に進もう」という気持ちになる。
たぶん『まんが道』のような続編はないと思うけれど、これでいい。
吉松隆オーケストラ傑作選
3月11日、東京芸術劇場で「吉松隆の〈英雄〉 吉松隆オーケストラ傑作選」を聴いてきました。
私にとって吉松隆さんはアニメ『Astroboy 鉄腕アトム』と大河ドラマ『平清盛』の人ではあるのですが……。
一度、純音楽作品をちゃんと聴きたいと思っていたので、今回は恰好の公演でした。
原田慶太楼指揮、東京交響楽団の演奏。
演目は、
「鳥は静かに… op.72」
「鳥のシンフォニア “若き鳥たちに” op.107」
「タルカス」
「交響曲第3番 op.75」
いやー、よかった。
シベリウス的な「鳥は静かに…」、ポップなリズムも登場する「鳥のシンフォニア」、ELPの名曲をオーケストラ曲にした「タルカス」、重厚で、ときに激しく躍動感に富んだ交響曲第3番。
現代音楽だけど暗鬱なところがなく聴きやすい。それに面白い。
『アトム』や『平清盛』のルーツを確認できた思いです。
若い世代の聴衆が多く見えたのも印象的。物販でスコアを買い求める人もいて、音楽をやっている人なのでしょう。
ミーハーなのでサイン会に並んだら、列が1階から3階まで伸びていて、サインもらうまで30分くらいかかってしまった。
で、吉松さんに「『鉄腕アトム』の音楽大好きです」と言ったら苦笑されてしまった。いや、照れていたのかな。そう思おう。
☆ロビーに展示されていた吉松さんのスコア、ノート類(接写でなければ撮影可と確認して撮影してます)