音楽詩『火垂るの墓』シンフォニー朗読劇

11月8日、東京文化会館で開催された「音楽詩『火垂るの墓』シンフォニー朗読劇」に足を運びました。
アニメ映画『火垂るの墓』の音楽をバックに野坂昭如の原作を朗読するという、コンサート+朗読形式の公演。
昨年9月に兵庫で開催された公演を配信で観て、「これは生で聴きたい」と思っていたので、念願かないましたよ。
開演が15分遅れ、その関係で、予定されていたプログラムからバッハの「G線上のアリア」を割愛(休憩もなしに)。
演目は
・間宮芳生「日本万国博」メインテーマ〜大阪万博公式長編記録映画のための〜
・ホルスの大冒険メドレー~映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』より~
・音楽詩『火垂るの墓』
と間宮芳生作品集の趣になりました。
昼間の別の公演が押したかららしいですが、かえってぎゅっと凝縮された公演になった印象。
「ホルス」と「火垂るの墓」の編曲は山下康介さん。
演奏は、
指揮・山下康介、パシフィックフィルハーモニア東京
ソプラノ・幸田浩子
合唱・横浜少年少女合唱団
『ホルス』の音楽と歌が生で聴けたのが大感激でした。
映画音楽の演奏の合間に、幸田浩子さんによるヒルダの歌が挿入される構成。20分弱の時間にハイライトを詰め込んでいます。
村人が歌う歌のメロディも入っているのがよかった。
できれば、『ホルス』の物語のスケールにふさわしい、ボリュームのある組曲を作ってほしいですね。
『火垂るの墓』は、オーケストラの演奏に朗読が重なる形式。
兵庫の公演では清太役が速水奨、節子役が石川由依と、落ち着いた声のベテランがキャスティングされてましたが、今回は清太役が小林大紀、節子役が麻倉もも、とだいぶ若々しくなっています。元気な清太になっているのが印象的でした。
映画『火垂るの墓』をそれほどくり返し観ているわけではないし、サントラも何度も聴きなおしているわけではないので、あらためてオーケストラの演奏で聴くと、こんな「いい曲だったのか…」としみじみ。悲劇性を強調しない、詩情をたたえた美しい表現が胸を打ちます。
最後に幸田浩子さんと横浜少年少女合唱団が「埴生の宿」と「ふるさと」を歌って終演(これがアンコールだったのかな?)。
少年少女合唱団の出演が20時までに制限されるので、終演まぎわが少々バタバタしたのが惜しまれます。
でも、よい公演でした。
欲を言えば、少年少女合唱団がいるのだから、『ホルス』の主題歌も歌ってほしかったな~。